すべての原稿を書き終え、表紙も決定しました。
リウさんはすでに表紙の写真を決めており、
そのカバー試作を見せてくれました。
それはインパクトがあり、写真も素晴らしい仕上がりでしたが、
原寸で見た人形の表情はあまりに強く、ちょっと圧倒されてしまいました。
私が躊躇していたので、さらに他の写真で5案の試作を作ってくれたのですが、
それに優るものはありませんでした。
あの雰囲気で、もう一度撮り直して欲しいとお願いしたのですが、
「できればそうしてあげたいけれど、あの写真はあの場所で、あの空気感の中で
産まれた一瞬の光りを捉えたもの、同じ空間は作れない。」とのお答えでした。
もちろん当然です。
諦めかけていた時、同じショットで少し引き気味の写真があると連絡がありました。
試作を見せてもらったところ、今度はイメージ通り。
原案は画面での顔のサイズが大きすぎて、前に出過ぎていたのです。
ほんのわずかな事かもしれないけれど、印象は違っています。
妥協しなくて良かったです。